藤丸のブログ

組織人事コンサルタントの藤丸が日々考えてることを綴っていきます。

【書評】脳を最適化すれば能力は2倍になる(樺沢紫苑)

「自分の能力を最大限に発揮したい」と考えることは、ビジネスマンであるかどうかに関わらず誰しも共通しているものではないでしょうか。

だからこそ、巷には誰かの成功体験をまとめたものやハウツー本で溢れています。

私自身も昔はこうした自己啓発本を読み漁り、成功するためにはどうすれば良いのかを自問自答していましたが、結局役に立った本は少なかったと思います。また、新入社員の頃にこういった類の本を読みたくさんの成功者の行動の真似をしましたが、自分の能力や適性を考えずに無理してしまい挙げ句の果てに身体を壊してしまうというどうしようもないこともしました。

しかも体調の方は大分悪くなってしまい、病院に行き抗鬱剤を服用しながらなんとか会社に行っている状態にまでなってしまいました。そのような経験から、成功するためには単なる精神論ではなく、もっと自分自身の身体のことをよく知らなくてはいけないと思うようになりました。

 

それからは、脳科学や心理学などしっかりとした理論をベースにした本をよく読むようになりました。今から振り返ると、他の人の経験談だけを語ったような本だと自分とは能力も異なれば課題感も一致しないので、再現性が低くなかなか役に立つのが難しかったように思います。

 

そんなこんなで、昔と比べて私自身読む本が大分変わりましたが、最近最もよく読んでいるのが樺沢紫苑さんの書く本やブログです。

精神科医である樺沢紫苑さんは、脳内物質がどのように人の行動・モチベーションに影響を与えるのかを自身のブログやyou tubeで発信しており、いつも大変興味深く読んでいます。

なかでも、『脳を最適化すれば能力は2倍になる』という本は、7つの脳内物質(ドーパミンセロトニンノルアドレナリン、アドレナリン、アセチルコリンメラトニン、エンドルフィン)について科学的な根拠に基づき説明しています。

 

脳内物質をうまく利用して仕事で成果を出す方法については、他にもいくつか書籍があると思うのですが、それぞれ役割の異なる7つの物質の利用の仕方について記載している本は初めてでした。(例えば、脳科学者の茂木健一郎さんの本には脳内物質のドーパミンを利用して勉強に活かすための本があり有名です。)

 

7つの物質の詳細についてはネタバレになってしまうのであまり触れませんが、著者は7つの物質のバランスが大事だと説きます。例えばドーパミンのサイクルが回転しすぎるとアルコール依存症に代表される「依存症」の状態になります。

このように特定の脳内物質の過剰あるいは不足は病気の原因にもなってしまうそうです。

一つに偏ってしまっては駄目でバランスが大事であるというお話は、過去の経験を振り返ると非常によく当てはまる部分があります。休息をとらずに働き続けたり、睡眠時間を削ったりなどかなり身体に負担をかけてしまっていました。

 

昔体調を崩した頃の経験を考えると、私はセロトニンの分泌が足りず、ドーパミンノルアドレナリンが長期で出すぎていたのかもしれません。

特にこの本を読んでからは、セロトニンの分泌に気をつけるようにしています。

 

具体的には、朝起きたときに日の光を浴びるようにする。リズム運動で意識的にセロトニンを分泌するようにする。煮詰まったときには散歩に出る、などです。

こうした行動はできるだけ生活習慣になるように、日々実践し定期的に振り返るようにしています。この本は、何度読み返してもそのときの自分の体調などによって新しい気付きがあるので、私はkindle版で購入し気になったときにいつでも読み返せるようにしています。

 

脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法

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