藤丸のブログ

組織人事コンサルタントの藤丸が日々考えてることを綴っていきます。

人事コンサルタントの辛いところ3つ

 

  最近人事コンサル志望の学生と話していて、「人事コンサルって大変なんですか〜?戦略系や業務改善系と比べるとどうなんですか?」と素朴な質問を受けたので、どんなところが大変なのか自分の経験から簡単にまとめてみました。

 

ちなみに私は、人事制度設計をメインとしているのでチェンジマネジメント系やエグゼクティブサーチファームなどはよく分からないので、その点はご了承ください。(あと、あくまで私の主観です)

 

①プロジェクトは基本2つ〜3つ担当する
人事コンサルの場合は、戦略系やIT系と比べて案件の規模が小さいものが多いため、若手のうちは大体平均して2つくらいのプロジェクトを担当するのが普通です。期間はプロジェクトによって異なりますが、半年から1年くらいの期間が多いでしょうか。そのため、戦略系ファームなどでよく聞かれる、忙しい時は死ぬほど忙しいが、プロジェクトとプロジェクトの間は長期休暇がとれるというようなことは滅多に起こりません。
忙しい状態が半永久的に続くこととなります。あるパートナーは、長期休暇なんて20年間とったことがないとまで言っていました(泣)
もしかするとそうではないファームもあるかもしれませんが、私が聞く限りだとどのファームも複数のプロジェクトを担当するのが普通みたいです。

 

②頭を使うのはプロジェクトの最初の2ヶ月間くらい

 

これはもちろんプロジェクトによるので、過度に一般化はしたくないのですが、概ね当てはまるのではないかと思います。人事制度改定の際には、主に等級制度、報酬制度、評価制度の基幹人事制度と呼ばれる部分を改定することが多いのですが、クライアントの課題を抽出し、戦略に沿った人事制度の骨格をつくるという部分は会社によって全く異なるため、本当に知恵を絞ることになります。ただし、人事制度の骨格が固まり、ある程度プロジェクトが進み出すと、論点が絞られてきます。ここの部分については他のプロジェクトのマテリアルが使用できることも多く、経験がものをいう世界なのですが、正直なところあまり面白みというのを感じられないことが多いです(M &A案件は少し異なるかも)。同僚や先輩コンサルタントと話していても、ここら辺は割と共通することが多いので、割り切ってやるしかないところでもあります。

 

③上位方針が固まらないと、人材マネジメントのあるべき姿を描けない

 

人事制度はあくまでも経営方針に紐づくわけなので、上位方針が固まらなければ人材マネジメントのあるべき姿を描けず、プロジェクトが止まることさえもあります。特にM &A案件なんかは両社の経営方針や組織設計などが固まらないなんてことは割とあります。そのような時には、一旦プロジェクトをペンディングするというようなこともありますが、現行人事制度の課題ベースで新人事制度を設計し、プロジェクトを終えるなんてことも多いです。そういった案件は正直なところソリューションが大体決まってくるので、そのようなプロジェクトが続くと成長感が湧かずに、停滞感を感じてしまう人もいます。個人的には地味な作業が続くのは辛いですね。アンコントローラブルな要素が多いのが嫌で、次のキャリアとして事業会社やより上流の戦略コンサルに行く人も結構多いんじゃないかと思います。

 

以上、3つあげさせて頂きましたが、人事コンサルは地味な仕事も多くあります。ただ、それ以上にやりがいのある仕事もたくさんあるので、そういったポジティブな面もいずれ書いてみたいと思います。