藤丸のブログ

組織人事コンサルタントの藤丸が日々考えてることを綴っていきます。

組織人事コンサルティング業界いろいろ

 

組織人事コンサルティングというと普通の人はどんな仕事を思い浮かべるのだろうか。戦略コンサルやITコンサルと違って、いまいち組織人事コンサルティングと聞いてもその仕事内容が判然としないのではないだろうか。私自身もこの業界にいてよく思うのだが、「コンサルタント」という言葉が一番乱立しているのが、この業界のような気がしている。そのため、仕事内容をよく調べない就活生などが間違って入社し、ギャップを感じるなんてことがけっこう起こりがちである。そこで、この業界をよく知らない人達のために私なりに下記にて整理をしてみた。
(※ちなみに私は人事制度改革、M&A後の人事制度統合などをメインにこれまでキャリアを積んでいるので、研修系やエグゼクティブサーチなどは聞いた情報をもとに記載しております)

 

①組織人事ブティック系コンサルティングファーム

マーサージャパン、タワーズワトソン、コーン・フェリー・ヘイグループの3社が有名。日系もいくつかあるものの、プレゼンスはあまり高くはない。
同じ会社内でも、人事制度設計やM&Aコンサルティングと年金・退職金コンサルティングは大分仕事内容が異なる。年金・退職金コンサルティングは、アクチュアリーなどの資格を持っている人が多数いる。
また、タワーズワトソンとヘイグループの2社は特に戦略系コンサルティング出身者が多く活躍している。

 

②総合コンサルティングファームの組織人事ユニット

デロイトトーマツコンサルティングアクセンチュアプライスウォーターハウスクーパースなどが有名。
会社全体として戦略の立案から運用基盤の構築まで一貫したサービスを提供できることが強み。他部門と連携しながらダイナミックな仕事ができる一方で、総合ファームなだけに会社によっては必ずしも人事ユニットに配属できないこともあるので注意が必要。また、インダストリーで部署が分かれたりするところもあるので、会社によっては幅広い経験が積めないということもあるかも。人事システムの導入などの案件も多い。

 

③人材育成・チェンジマネジメント系

リクルートマネジメントソリューションズ、リンクアンドモチベーショングロービスなどが有名。
その他、小さい研修会社もたくさんある。小さい会社ほど営業色が強く新人から数字の責任を負い、テレアポをガンガンするというような会社も多いと聞く。一部の会社はコンサルティングというイメージからはギャップもあるかもしれない。また、研修のパッケージを安く大量に売っているような会社もあったりするので、自分が入ったときにどのような経験を得られるのかは見極めが必要。

 

④エグゼクティブサーチファーム

コーンフェリー、エゴンゼンダー、スペンサースチュアートなどが有名。
経営幹部や特定の専門スキルを持った人材を外部からヘッドハンティングをする仕事である。人材紹介会社との違いとしては、最初にリテイナーフィーが発生すること、転職の意志に関わらず欲しい人材をスカウトすることなどである。

その他、採用のアウトソーシング会社や人材紹介会社なんかも肩書きに「コンサルタント」と書いてあったりする。別にコンサルタントの定義云々の話をしたいのではなく、一口に組織人事コンサルティングといっても、強みのある領域や仕事内容は様々であるということ。(コンサルティングを謳った方が人が集まりやすいので取り敢えず名前だけ・・・といった会社もあったりする)特に就活生は入社してからギャップを感じないように、事前に仕事内容をよく調べた方が良い。また、ほとんど研修しかサービスがないのにも関わらず、ホームページ上には制度設計とかもできる風に書いてある研修会社もあるため注意されたい。事前に案件の内容や1人あたりに担当する案件の数などをしっかり聞いておくことがお勧め。(1人あたりで担当する案件が多いほど、パッケージ売りになりがちのため)