キャリア・アンカーのセルフアセスメントを受けてみた
先日、「キャリア・アンカー」のセルフアセスメントを受けてみて、自分なりに納得感があったので、その結果を書いてみたいと思います。
キャリア・アンカーとはそもそも何かというと、アメリカの有名な組織心理学者であるエドガー・H・シャイン博士によって提唱されたキャリア理論のことです。割と企業の教育研修なんかでも使われることがあります。
キャリア・アンカーのセルフアセスメントの冒頭では、下記のように記されています。
“キャリア・アンカーとは、意にそぐわないキャリアの選択を迫られた場合でも、どうしてもあきらめたくないと考えている動機・価値観の領域を組み合わせたものです。キャリア・アンカーは、本当のあなたを表します。”
セルフ・アセスメントの質問項目に自分で正直に答えていくと、自分自身の本当の動機や価値観がわかるというものになっています。
エドガー・H・シャイン博士の過去数十年にも及ぶ研究結果によると、ほとんどの人の働く上での動機・価値観は、8つのカテゴリーに分類されるみたいです。こうしたキャリアを考える上でのアセスメントはいくつかありますが、比較的シンプルにまとまっているものだと思います。
ただ、本書では同時にアセスメントの結果は絶対的にキャリアの種類を示すものではなく、あくまでもキャリアの優先順位を決めるためのガイドラインとして活用するべきだと記されています。
ちなみに、藤丸が取り組んだ結果は以下の通りです。
質問紙に沿った回答結果の合計値を記載しています。(合計点が大きいほど、自分自身のキャリア・アンカーを表すみたいです。)
-----------------------------------
・専門・職能別能力(TF)29点
・経営管理能力(GM)13点
・自律・独立(AU)14点
・保障・安定(SE)8点
・起業家的創造性(EC)13点
・奉仕・社会貢献(SV)28点
・純粋な挑戦(CH)25点
・生活様式(LS)12点
-----------------------------------
質問は全部で40問あり、「まったくあてはまらない」〜「いつもあてはまる」で、1〜4点をつけていきます。
さらに、40問のうち自分が感じていることを最も表している5問には、さらに5点ずつ点数を加えるようになっています。
結果としては、専門・職能別能力が一番高かったです。私はどちらかというとスペシャリスト志向だったのでこれはしっくりきました。(それが良いかどうかに関わらず)
ついで、奉仕・社会貢献、純粋な挑戦と続きました。奉仕・社会貢献は少し意外な結果(笑)ですが、純粋な挑戦はよく認識しています。
また、私の結果は上位の項目にあまり差が見られませんでしたが、それにはいくつか理由が考えられるみたいです。
一つは、まだ職業経験が少なく自分のキャリア・アンカーがまだよくイメージできていない場合。
二つ目は、8つの項目とは別のキャリア・アンカーを持っている、あるいは8つのキャリア・アンカーが複合的に関わっている場合。
最後に質問項目に対して、自分の心のうちを正直に回答していない場合だそうです。
私の場合は、おそらく8つの項目のうちのいくつかの複合的なキャリア・アンカーを持っているのではないかと考えています。
大まかな方向性としては、自分の専門性を高めていくスペシャリスト志向なのですが、それに加えて社会貢献性や課題の難易度などの純粋な挑戦を求めるようです。
本書ですが、8つの項目のそれぞれにおいて具体的なキャリアのケースが記されているので、わかりやすく読むことができました。(もちろんケースに登場するのは外国人なので日本企業とは転職に関する価値観が異なるなどはありますが)
自分のキャリアの大まかな方向性を知るためのきっかけを得たい人にはとても良いと思います。
『竹取物語』のかぐや姫の昇天を初めて読んだときのこと
組織人事コンサルタントになるのに社会保険労務士の資格は必要か?
私は組織人事コンサルティングの仕事をしているので、「組織人事コンサルタントになるのに社会保険労務士の資格は必要ですか?」とか「人事コンサルティング会社に転職するのに、社会保険労務士の資格を取っておいた方が有利ですか?」いう質問をよく頂くことがあります。
社会保険労務士の資格と組織人事コンサルタントという仕事が直結すると思われている方が多いのかもしれません。
しかし、私見ではありますが社会保険労務士事務所に行くのならまた別として、組織人事コンサルティング会社に転職する場合、正直なところあまり必要がないのではと思っています。あっても邪魔にはならないけど、、、くらいな印象です。
実際、私の周りにも社会保険労務士の資格を持っている人はほとんどいませんし、他のファームで働いている友人の話を聞いてもあまりいないようです。
(※私は、人事制度設計やM&A・組織再編などに携わっているので、その限りで書いています)
もちろん、社会保険労務士の資格の取得を目指して人事関係のことを勉強することは良いことですし、特に未経験の方は少しのアピールにはなると思うのですが、転職にあたってはそれ以上に重要な要素があります。
私見ですが、転職において特に重要視されるのは
・実務経験(人事コンサルタントの経験でなくても、事業会社での人事の経験など。)
・年齢(未経験の場合、当然若い方が良いです)
・英語力(グローバル案件はどこのファームでも増えているので、英語力が高い方は重宝されます)
などかと思います。
ポイントとしては、やはり年齢が見られることです。
特に組織人事コンサルタントは専門職であり、仕事の進め方も特殊であるため、未経験であれば若手を雇い育てていく方が効率が良いわけです。
そのため、未経験の方が社会保険労務士の資格を取得して、それから転職を目指すくらいであれば、少しでも若いうちに転職活動をしてしまった方が書類も通りやすいし良いのでは、と思います。
資格取得までに1〜2年はかかると思いますし、必ずしも取得できるとは限らないわけですし。
資格の取得自体は良いのですが、年齢を重ねることのデメリットの方が大きいように思います。
(転職には景気の動向も関係するので、ちょっとのつもりで準備してる間に景気が悪くなり、求人数が激減するなんてこともよくあります。)
また、もし仮に今のままでは書類が通らないので、何か資格などを取得して準備したいという方がいらっしゃれば、社会保険労務士の資格よりも英語を勉強することをおすすめします。
M&A関連などでグローバル案件も増えて、英語力のある方はニーズがあり、重宝されると思います。
私自身も転職をする前に何か準備をするべきか悩みましたが、信頼できる転職エージェントに相談したところ、まだ年齢が若くその時の景気も良かったことから、すぐに転職活動にとりかかりました。
社会保険労務士事務所に行きたいだとか将来的に独立開業したいという方は別ですが、組織人事コンサルティング会社への転職の場合はどういった要素を見られるのかを考えた方が良いと思います。
もちろん、組織人事コンサルティング業界といっても様々なので、最終的にはご自身が行きたい会社がどんな人材を求めているかで決まってくるかとは思います。
せっかく時間をかけて勉強するのですから、事前にどのくらいのリターンがあるかを調べて吟味しておく必要がありますね。
【書評】「食べない」健康法(石原結實)
・大小便の排泄がよい・体が温まる・気分がよい
【書評】僕がコントや演劇のために考えていること(小林賢太郎)
自分は何が好きなのかを知り、なぜ好きなのかまで考える
お客さんを楽しませるために、お客さんになる
「想像筋」は調べないことで鍛えられる
【書評】転職後、最初の1年にやるべきこと(秋山進・丸山貴宏)
秋山:実力のある人が転職しても、新しい会社で成功する人とそうでない人に分かれます。 長年にわたり多くの転職支援を行ってきた丸山さんの目から見ると 、「この人は大丈夫だろう」「この人はちょっと苦労するかな」 と転職前からお感じになると思うのですが、 その違いはどの辺りにあるのでしょうか。 丸山:「苦労するかな」と思うのは、簡単にまとめると「頭が固くて権利意識の強い人」ですね。
【書評】脳を最適化すれば能力は2倍になる(樺沢紫苑)
「自分の能力を最大限に発揮したい」と考えることは、ビジネスマンであるかどうかに関わらず誰しも共通しているものではないでしょうか。
だからこそ、巷には誰かの成功体験をまとめたものやハウツー本で溢れています。
私自身も昔はこうした自己啓発本を読み漁り、成功するためにはどうすれば良いのかを自問自答していましたが、結局役に立った本は少なかったと思います。また、新入社員の頃にこういった類の本を読みたくさんの成功者の行動の真似をしましたが、自分の能力や適性を考えずに無理してしまい挙げ句の果てに身体を壊してしまうというどうしようもないこともしました。
しかも体調の方は大分悪くなってしまい、病院に行き抗鬱剤を服用しながらなんとか会社に行っている状態にまでなってしまいました。そのような経験から、成功するためには単なる精神論ではなく、もっと自分自身の身体のことをよく知らなくてはいけないと思うようになりました。
それからは、脳科学や心理学などしっかりとした理論をベースにした本をよく読むようになりました。今から振り返ると、他の人の経験談だけを語ったような本だと自分とは能力も異なれば課題感も一致しないので、再現性が低くなかなか役に立つのが難しかったように思います。
そんなこんなで、昔と比べて私自身読む本が大分変わりましたが、最近最もよく読んでいるのが樺沢紫苑さんの書く本やブログです。
精神科医である樺沢紫苑さんは、脳内物質がどのように人の行動・モチベーションに影響を与えるのかを自身のブログやyou tubeで発信しており、いつも大変興味深く読んでいます。
なかでも、『脳を最適化すれば能力は2倍になる』という本は、7つの脳内物質(ドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリン、アドレナリン、アセチルコリン、メラトニン、エンドルフィン)について科学的な根拠に基づき説明しています。
脳内物質をうまく利用して仕事で成果を出す方法については、他にもいくつか書籍があると思うのですが、それぞれ役割の異なる7つの物質の利用の仕方について記載している本は初めてでした。(例えば、脳科学者の茂木健一郎さんの本には脳内物質のドーパミンを利用して勉強に活かすための本があり有名です。)
7つの物質の詳細についてはネタバレになってしまうのであまり触れませんが、著者は7つの物質のバランスが大事だと説きます。例えばドーパミンのサイクルが回転しすぎるとアルコール依存症に代表される「依存症」の状態になります。
このように特定の脳内物質の過剰あるいは不足は病気の原因にもなってしまうそうです。
一つに偏ってしまっては駄目でバランスが大事であるというお話は、過去の経験を振り返ると非常によく当てはまる部分があります。休息をとらずに働き続けたり、睡眠時間を削ったりなどかなり身体に負担をかけてしまっていました。
昔体調を崩した頃の経験を考えると、私はセロトニンの分泌が足りず、ドーパミンやノルアドレナリンが長期で出すぎていたのかもしれません。
特にこの本を読んでからは、セロトニンの分泌に気をつけるようにしています。
具体的には、朝起きたときに日の光を浴びるようにする。リズム運動で意識的にセロトニンを分泌するようにする。煮詰まったときには散歩に出る、などです。
こうした行動はできるだけ生活習慣になるように、日々実践し定期的に振り返るようにしています。この本は、何度読み返してもそのときの自分の体調などによって新しい気付きがあるので、私はkindle版で購入し気になったときにいつでも読み返せるようにしています。
脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法
- 作者: 樺沢紫苑
- 出版社/メーカー: 文響社
- 発売日: 2016/12/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る