藤丸のブログ

組織人事コンサルタントの藤丸が日々考えてることを綴っていきます。

組織人事コンサルタントになるのに社会保険労務士の資格は必要か?

 

私は組織人事コンサルティングの仕事をしているので、「組織人事コンサルタントになるのに社会保険労務士の資格は必要ですか?」とか「人事コンサルティング会社に転職するのに、社会保険労務士の資格を取っておいた方が有利ですか?」いう質問をよく頂くことがあります。

 

社会保険労務士の資格と組織人事コンサルタントという仕事が直結すると思われている方が多いのかもしれません。
しかし、私見ではありますが社会保険労務士事務所に行くのならまた別として、組織人事コンサルティング会社に転職する場合、正直なところあまり必要がないのではと思っています。あっても邪魔にはならないけど、、、くらいな印象です。


実際、私の周りにも社会保険労務士の資格を持っている人はほとんどいませんし、他のファームで働いている友人の話を聞いてもあまりいないようです。
(※私は、人事制度設計やM&A・組織再編などに携わっているので、その限りで書いています)

 

もちろん、社会保険労務士の資格の取得を目指して人事関係のことを勉強することは良いことですし、特に未経験の方は少しのアピールにはなると思うのですが、転職にあたってはそれ以上に重要な要素があります。

 

私見ですが、転職において特に重要視されるのは
・実務経験(人事コンサルタントの経験でなくても、事業会社での人事の経験など。)
・年齢(未経験の場合、当然若い方が良いです)
・英語力(グローバル案件はどこのファームでも増えているので、英語力が高い方は重宝されます)
などかと思います。

 

ポイントとしては、やはり年齢が見られることです。
特に組織人事コンサルタントは専門職であり、仕事の進め方も特殊であるため、未経験であれば若手を雇い育てていく方が効率が良いわけです。

 

そのため、未経験の方が社会保険労務士の資格を取得して、それから転職を目指すくらいであれば、少しでも若いうちに転職活動をしてしまった方が書類も通りやすいし良いのでは、と思います。
資格取得までに1〜2年はかかると思いますし、必ずしも取得できるとは限らないわけですし。
資格の取得自体は良いのですが、年齢を重ねることのデメリットの方が大きいように思います。
(転職には景気の動向も関係するので、ちょっとのつもりで準備してる間に景気が悪くなり、求人数が激減するなんてこともよくあります。)

 

また、もし仮に今のままでは書類が通らないので、何か資格などを取得して準備したいという方がいらっしゃれば、社会保険労務士の資格よりも英語を勉強することをおすすめします。
M&A関連などでグローバル案件も増えて、英語力のある方はニーズがあり、重宝されると思います。

 

私自身も転職をする前に何か準備をするべきか悩みましたが、信頼できる転職エージェントに相談したところ、まだ年齢が若くその時の景気も良かったことから、すぐに転職活動にとりかかりました。
社会保険労務士事務所に行きたいだとか将来的に独立開業したいという方は別ですが、組織人事コンサルティング会社への転職の場合はどういった要素を見られるのかを考えた方が良いと思います。

 

もちろん、組織人事コンサルティング業界といっても様々なので、最終的にはご自身が行きたい会社がどんな人材を求めているかで決まってくるかとは思います。
せっかく時間をかけて勉強するのですから、事前にどのくらいのリターンがあるかを調べて吟味しておく必要がありますね。

【書評】「食べない」健康法(石原結實)

 
3食しっかりと食べた方が健康に良いのか、腹八分目にしておいてあまり食べない方が健康に良いのか、色んな人が色んなことを言うので、結局どちらが正解なのかは今でもよく分かっていないのではないでしょうか。
これは、医者の間でも意見が分かれているみたいですが、現状は「3食毎日きっちりと食べましょう」という医者の方が数としては多いのではないかと思います。(健康診断の問診票でも、「朝食をしっかりと食べているか?」という項目がありますし。)
しかし、私自身の経験からすると必ずしもそうではないみたいです。
 
私は、学生になって独り暮らしをし始めてから朝食を抜き始めたのですが、特に身体を悪くすることなく、すこぶる健康な状態でした。
学生の頃はあまり気にしていませんでしたが、社会人になって働き始めると、さすがに自分の健康に気を配るようになりました。ある日の健康診断の際に、お医者さんから「3食しっかり食べないとダメですよ」と言われたのをきっかけに、また3食を食べる生活に戻しました。
 
しかし、この3食を毎日食べるという生活は私自身の身体にとってみると、あまり良くはなかったようでした。
まず、頭が思うように働かないですし、身体もなんとなく怠い生活が続きました。それでも医者から薦められていたので、ちゃんと食べないとと思いながら多少無理をして3食を毎日食べるようにしていました。
 
そんな生活を続けているうちに、本当はあまり食べない方が身体に良いのではないか?という疑念が藤丸の頭の中に浮かんできました。
そこで、ネットを使って自分で色々調べてみると、少食を薦めている医者の方を発見し、それが石原結實さんでした。
 
この「食べない」健康法では、少食によって健康を維持されている方の事例がふんだんに盛り込まれています。石原さんによると、現代人は食べすぎていて、本当は1日2食、さらに言えば1日1食でも十分だそうです。
石原さん自身も長年1日1食の生活を続けられていて、忙しければ忙しいほど逆に「食べない」と言うのだから驚きです。
 
この本を読んだ後から、私は1日3食の生活から1日2食の生活に戻しました。
ちゃんと食べないとエネルギーが足りないなど言われることもありますが、私自身の経験からすると、食べない方が圧倒的に調子が良いですし、仕事も捗ります。
 
本の中には具体的な食事方法が載っていますが、毎日守ることは難しいので7〜8割くらいで自分の身体の調子を見ながら、ゆったりと守っています。
 
具体的には、朝は野菜ジュースのみ(本では、人参・リンゴジュースや生姜紅茶などが薦められています)、昼はうどんやそば(腹八分目に抑えるようにしています)、夜はなんでも食べるというような具合です。
 
ただ、どこまで少食にするかは人によって身体に合う合わないもあるみたいなので、自分の身体に合っているかの指標として、下記の条件を満たしているかを見ると良いそうです。
 
 ・大小便の排泄がよい
 ・体が温まる
 ・気分がよい
 
いずれにしても、本当は食べたくないけどエネルギーが足りないから無理して食べている、などの方がいれば一度は少食法を試してみると良いかと思います。
 

 

「食べない」健康法 (PHP文庫)

「食べない」健康法 (PHP文庫)

 

 

 

【書評】僕がコントや演劇のために考えていること(小林賢太郎)

 
私は昔からラーメンズのコントが好きで、DVDやyoutubeなどでよく見ています。知っている方も多いと思いますが、ラーメンズは1996年に結成されたお笑いコンビで、過去にはテレビによく出演していたものの、今は舞台を主な活動の場としています。
多くのお笑い芸人がテレビのバラエティ番組に出て有名になることを目指している中で、活動の中心を舞台としているラーメンズは、お笑い芸人の中では少し異色な存在に見えるかもしれません。
ラーメンズのコントは圧倒的に面白く、知的であり、数あるお笑い芸人の中で独自の地位を築いています。
 
そんなラーメンズ小林賢太郎さんが書いたこの本には、コントや演劇のために考えたことがたくさん詰まっています。
小林賢太郎さんはもちろん非常に才能のある方だと思うのですが、この本を読むと、徹底的な顧客主義に基づき「狙って」観客を楽しませることのできるプロフェッショナルな方なのだと感じました。仕事に対するそのような姿勢や考え方は、お笑い芸人ではない平凡なサラリーマンの私にとっても非常に勉強になることが多くありました。
 
特に、印象に残ったのは下記のような記述でした。
 
 自分は何が好きなのかを知り、なぜ好きなのかまで考える
 
小林さんは、「自分が何が好きか」、「なぜそれが好きなのか」を考えることは表現者にとって非常に重要なことだと言います。なんとなくということは絶対になく、徹底的に考えることの重要性を説きます。「何が好きか」だけでは不十分で、「なぜ好きか」まで考えると自分の中にある価値観に辿り着くことができ、それがオリジナルの創作活動につながるからです。
 
お客さんを楽しませるために、お客さんになる
 
小林さんは舞台に限らず、スポーツ観戦や普段の外食に至るまで、お客さんとしての経験を大切にしているそうです。お客さんの立場・考え方を身を持って学ぶことはもちろん大切ですが、こういった第一線で長らく活躍している方にとってもお客さんの視点を学び続ける姿勢を持ち続けていることに改めて気付かされました。逆に言うと、お客さんの移り変わるニーズを常に捉えているからこそ、長い間活躍しているということなんだと思います。
また、本業に限らず何気なく日常で使っているサービスに目を向けることにも、新しい発見があるかもしれないと思いました。
 
「想像筋」は調べないことで鍛えられる
 
これは完全に意見が一致するのですが、何か分からないことがあったときに調べないで想像してみることはとても重要だと感じています。
現代では、スマホを片手に分からないことはすぐに調べられる状況にあるので、「想像する」経験がどんどん少なくなってきているように感じます。ひどい方だと、「考える」=「検索する」となってしまっている場合もあります。
情報を集める力と限られた情報を使って考えることは全く違うことです。
私も何か分からないことがあったときには、意図的に調べないで考えてみるようにすることもあります。
そうすることで、想像する力、考える力が鍛えられると思うからです。

 

僕がコントや演劇のために考えていること
 

 

【書評】転職後、最初の1年にやるべきこと(秋山進・丸山貴宏)

コンサルタントという職業柄、人材の流動性が非常に高い業界にいるので、私も過去に何回か転職を経験してきました。
 
巷には転職を成功させるために何をすれば良いかといった、転職活動のノウハウ本が溢れていて、時代も反映して世間の注目を集めているように思います。
私も転職をする際には、どのようにキャリアを積み上げるべきかに悩み、こういった類の本をたくさん読んできました。
 
もちろんこういった本は全てではないもののいくつかは役に立ち、自分のキャリアを考える良いきっかけとなりました。しかし、自分の経験を振り返ってみると転職において本当に重要なのは、どの会社に転職するかよりも、転職した会社においてどうすれば活躍できるのか、だったように思います。
第一志望の会社に入ったにも関わらず思い描いていた仕事ができない、周囲から「仕事ができないヤツ」というレッテルを貼られ全く重要な仕事がまわってこない、なんてことはよく聞きます。もっとひどいと転職先の会社で干されて短期間でまた転職せざるを得ず、結局給料が激減するなんてこともざらです。
 
逆に転職先の会社でしっかりと成果を上げることができれば、重要な仕事を任せられ自分の市場価値も上がり、さらにチャレンジングな仕事の機会が得られるといった好循環に入ることができるでしょう。
 
このように、どの会社に入るかと同じかそれ以上に次の会社で成果を上げることは重要なのにも関わらず、転職先でどのように仕事を進めていけばいいかについて書かれた本はほとんどないように思います。
(転職に関する本は、エージェントが出していることが多いので、どうしても「いかに転職するか」という話になりがちなんですね。
 
そういった意味で、この本は転職後の1年でどのように仕事を進めていけばいいかを具体例を交えながら生々しく記載している、非常に稀有な本だと思います。
私は、初めての転職の際に職場の上司からこの本を薦められて購入しましたが、あの時に読んでおいて本当に良かったと感じています。
 
まず冒頭で、転職で苦労するタイプの人に関する話を見て、当時の私はドキッとしました。
 
秋山:実力のある人が転職しても、新しい会社で成功する人とそうでない人に分かれます。長年にわたり多くの転職支援を行ってきた丸山さんの目から見ると、「この人は大丈夫だろう」「この人はちょっと苦労するかな」と転職前からお感じになると思うのですが、その違いはどの辺りにあるのでしょうか。
丸山:「苦労するかな」と思うのは、簡単にまとめると「頭が固くて権利意識の強い人」ですね。

 

「権利意識が強い」というのは少しあるなと笑
小さいことにこだわりすぎたり、自分の権利はこうだと主張しすぎると、転職先でも疎まれてしまうようです。当然と言えば当然の話なのですが。
 
本書の全体を見て感じたのは、仕事における実力があるなしに関わらず、転職先の暗黙のルールや人間関係を重要視しないばかりに、職場の人から距離を置かれ実力を発揮できないことが多分にあるということです。(もちろんそういった部分を含めて本当は「実力」と呼ぶのだと思いますが)
 
また、職場での人間関係がまだできていないにも関わらず、「何か大きなことをしよう」とこれまでの方法を全面否定してしまい、人間関係がこじれるということもあるようです。
 
いずれにせよ、本書では転職してから最初の1年はうまく社内に馴染めるように振舞い、小さな実績を積み重ねることを薦めています。
私もこの本を読んで、最初の1年は徹底して職場での信頼関係をつくれるように努めて、なんとかうまくいっているように思います。
 
次の転職先が決まっている人や転職したばかりで仕事がうまくいかなかったり、何故か空回りしてしまう人は本書を読むと何かヒントが掴めるかもしれません。

 

転職後、最初の1年にやるべきこと

転職後、最初の1年にやるべきこと

 

 

【書評】脳を最適化すれば能力は2倍になる(樺沢紫苑)

「自分の能力を最大限に発揮したい」と考えることは、ビジネスマンであるかどうかに関わらず誰しも共通しているものではないでしょうか。

だからこそ、巷には誰かの成功体験をまとめたものやハウツー本で溢れています。

私自身も昔はこうした自己啓発本を読み漁り、成功するためにはどうすれば良いのかを自問自答していましたが、結局役に立った本は少なかったと思います。また、新入社員の頃にこういった類の本を読みたくさんの成功者の行動の真似をしましたが、自分の能力や適性を考えずに無理してしまい挙げ句の果てに身体を壊してしまうというどうしようもないこともしました。

しかも体調の方は大分悪くなってしまい、病院に行き抗鬱剤を服用しながらなんとか会社に行っている状態にまでなってしまいました。そのような経験から、成功するためには単なる精神論ではなく、もっと自分自身の身体のことをよく知らなくてはいけないと思うようになりました。

 

それからは、脳科学や心理学などしっかりとした理論をベースにした本をよく読むようになりました。今から振り返ると、他の人の経験談だけを語ったような本だと自分とは能力も異なれば課題感も一致しないので、再現性が低くなかなか役に立つのが難しかったように思います。

 

そんなこんなで、昔と比べて私自身読む本が大分変わりましたが、最近最もよく読んでいるのが樺沢紫苑さんの書く本やブログです。

精神科医である樺沢紫苑さんは、脳内物質がどのように人の行動・モチベーションに影響を与えるのかを自身のブログやyou tubeで発信しており、いつも大変興味深く読んでいます。

なかでも、『脳を最適化すれば能力は2倍になる』という本は、7つの脳内物質(ドーパミンセロトニンノルアドレナリン、アドレナリン、アセチルコリンメラトニン、エンドルフィン)について科学的な根拠に基づき説明しています。

 

脳内物質をうまく利用して仕事で成果を出す方法については、他にもいくつか書籍があると思うのですが、それぞれ役割の異なる7つの物質の利用の仕方について記載している本は初めてでした。(例えば、脳科学者の茂木健一郎さんの本には脳内物質のドーパミンを利用して勉強に活かすための本があり有名です。)

 

7つの物質の詳細についてはネタバレになってしまうのであまり触れませんが、著者は7つの物質のバランスが大事だと説きます。例えばドーパミンのサイクルが回転しすぎるとアルコール依存症に代表される「依存症」の状態になります。

このように特定の脳内物質の過剰あるいは不足は病気の原因にもなってしまうそうです。

一つに偏ってしまっては駄目でバランスが大事であるというお話は、過去の経験を振り返ると非常によく当てはまる部分があります。休息をとらずに働き続けたり、睡眠時間を削ったりなどかなり身体に負担をかけてしまっていました。

 

昔体調を崩した頃の経験を考えると、私はセロトニンの分泌が足りず、ドーパミンノルアドレナリンが長期で出すぎていたのかもしれません。

特にこの本を読んでからは、セロトニンの分泌に気をつけるようにしています。

 

具体的には、朝起きたときに日の光を浴びるようにする。リズム運動で意識的にセロトニンを分泌するようにする。煮詰まったときには散歩に出る、などです。

こうした行動はできるだけ生活習慣になるように、日々実践し定期的に振り返るようにしています。この本は、何度読み返してもそのときの自分の体調などによって新しい気付きがあるので、私はkindle版で購入し気になったときにいつでも読み返せるようにしています。

 

脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法

脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法

 

 

35歳転職限界説について

 

「35歳転職限界説」という言葉をよく聞くことがあります。これは、35歳を超えると転職が難しくなるという意味で使われています。近年では就業人口全体が高齢化しているので、35歳以上の転職も珍しくなくなってきているものの、一般的に年齢が高い人ほどそれなりの経験が求められるようになるので、やはり転職の難易度は高くなるようです。

 

人によっては、転職に年齢は全く関係ないという方もいますが、「35歳で転職は限界」という考えがここまで広まっているからにはそれなりの理由もあるはずだと思います。全く当てはまらなかったら、ここまで言われないですものね。
そこで、35歳までにどのようなキャリアを積み上げていると、転職市場で評価されるのか、あるいは評価されずに転職がしづらくなるのかを少し考えてみたいと思います。

 

企業における社員のタイプを本当にざっくりと分類すると、概ねスタッフ、マネージャー、スペシャリストの3つのタイプに分けられるのではないかと思います。
スタッフ職とは、ここではある程度定型的な業務を上司の指示に従って遂行するような仕事と定義をします。会社においては多数派を占める業務となり、主に若手社員がこういった仕事をすることが多くなります。こうした業務は、定型化されているが故に、一度仕事を覚えてしまえばそれ以上成長することは一般的には難しくなります。そのため、給料が低く使いやすい若手が好まれる傾向にあり、35歳くらいまでにこうした業務しか経験ができていないと転職が難しくなるというのは確かにあるなと思います。

 

一方で、役職がついているいないに関わらず、人をうまく束ねて育成し、高い成果を生み出しているようなマネージャーは年齢に関わらず転職市場において求められると思います。マネージャーが求められるのは高い成果であるため、成果さえ生み出すことができれば年齢はあまり関係がないからです。

 

また、マネージャーと同様に他の人が持っていない高い専門性を有しているスペシャリストも35歳を過ぎたとしても雇用の機会は当然あります。極めて高度な専門性や経験を有していれば、年齢や給与はこちらもあまり問題にはなりません。

 

以上のように、「35歳転職限界説」とはよく言われるものの、それは限定されたある一定のキャリアを積んでいる方を想定しているものであり、もちろん全てにおいて当てはまるわけではありません。そのため、早いうちから自分のキャリアの築き方を考え、マネージャーとして人を動かす経験やスペシャリストとして高度な専門性を身につけられるような経験を積めるように、自律的にキャリアを選択していくことが大切だと思います。(もちろん安定した大手企業に自分の職業人生を捧げるという手もありますが、昨今の情勢を見る限り、かなりリスクの高い選択であるのは周知の事実でしょう。東芝のような日本を代表する大企業であっても経営危機に陥る時代ですし。)

 

実際は上記のように全ての仕事がスタッフ職、マネージャー職、スペシャリスト職に明確に分けられるのではありませんが、自分のキャリアを振り返る上での考えるべき一つの視点になるのではないでしょうか。

 

転職はしてもしなくてもいいけど、考えた方が良いという話

最近、昔の友達や後輩から転職についての相談を受けることが増えました。まあ、転職という選択肢が段々と普通になってきているので、当然と言えば当然かもしれません。

ただその中でも本気で転職を考えているような人はごく一部で、多くの人は現状に不満を抱きつつも一社に勤め上げるという世界観を受け入れて転職を諦めてしまっている人が意外と多いように思います。
これは、本当に勿体無いですしもっと言うと危険なことでもあると感じています。

 

そういった方の話をよく聞いてみると、「現状の仕事をまずはやりきることが大切」、「はっきりとした成果をまだ生み出していない」、「人間関係ができているので、周囲に貢献することを覚えたい」など、曖昧で尤もらしいことを言います。これは全く間違っていなく、ある一面で正しいことでもあるのですが、志向としては内向きで、労働市場での自分の価値についてしっかりと考えているのか不安に感じてしまいます。もっと言うと、会社や上司からのポジショントークをそのまま受け入れてしまっているのではないか、と思うこともあります。

 

現状の仕事に前向きに取り組み周囲に貢献することは前提として大事ですが、その仕事を通じてどんな能力や人脈が得られるのか、○歳までにどうなっていたいのかは具体的に描けていた方が良いと思います。日本企業はこれまで新卒一括採用、終身雇用制度を前提とした人事制度を採用してきたので、社員のエンプロイアビリティ(転職可能性)を高めるということにはあまり関心がありません。それはつまり、自社で一生懸命目の前の仕事に打ち込んだとしても、それが転職市場で評価されるかどうかはかなり怪しいということです。(もちろん、最近は社員のエンプロイアビリティを高めるということに力を入れている会社もありますし、前提としての個人の努力も必要です。)

 

しかし、言わずもがなこうした日本企業の人材マネジメントの前提は大きく揺らいでいます。この前提が成り立つための組織の持続的な拡大や組織のピラミット構造の維持が難しくなっているからです。個人にとってみれば、若いうちに低い給料で働かされても後で必ず回収できるという今までの図式は保証できなくなってきていますし、そもそも会社自体の寿命も短くなってきている傾向にあります。そうすると、一社に自分のキャリアを預けるのではなく、個人でキャリアをデザインしていく能力がますます重要になってくるはずです。

 

そのため、私は友達や後輩から転職の相談を受けた際には、「目の前の仕事に打ち込むことも大事だけど、それが転職市場でどのように評価されるのかはちゃんと考えた方が良いよ」と必ずアドバイスをするようにしています。結果として、転職をする必要がないのであればそれに越したことはないのですが、いつでも転職をできる自分をつくっておかないとやはりリスクが高いなぁと思います。本人が成長していると感じていたとしても、他人の目から見るとそうではない場合も多いですし。そういった意味では、すぐに転職を考えていなくても定期的にエージェントにあって、自分の市場価値を把握する努力はちゃんとした方がいいと思っています。(ただし、エージェントは人を動かして初めて収益を上げる仕事なので、基本は絶対に転職を勧めてくるので注意が必要です。長期的な視点でアドバイスをして欲しい旨を伝え、ちゃんと信頼できる人なのか見極めが大事です。)